「国宝 一遍聖絵」~鎌倉の東の口から知る中世の今と昔|クロードクル

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2015年11月20日
「国宝 一遍聖絵」~鎌倉の東の口から知る中世の今と昔

「国宝 一遍聖絵」第3会場の神奈川県立金沢文庫(中世歴史博物館)では、高野山、熊野、四天王寺、石清水八幡宮、当麻寺の場面を描く第二、三、八、九巻が展示されます。金沢北条氏が残した鎌倉時代の資料もお見逃しなく。

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鎌倉時代の足跡がここにも・・・

「国宝 一遍聖絵」の展示会場の一つ金沢文庫。
鎌倉時代中頃に北条実時が邸宅内に造った武家の文庫(図書館)で横浜市金沢区にあります。
鎌倉幕府の執権金沢北条氏の拠点であった金沢文庫のある六浦という場所は、鎌倉時代は船付けのよい六つの浦がある場所、鎌倉の東の口として経済や流通面で重要な役割を担ってきた場所でした。
鎌倉時代の宝物「一遍聖絵」を読み解く鍵は、この金沢文庫にもあったということを取材して実感。まずはその金沢文庫についてご紹介します。

金沢文庫に行くには、京急線金沢文庫の駅を降りてからしばらく登り坂を歩いていくことになります。
金沢文庫駅が当時は海の中だったとはなるほど。その昔は海であったこと思われる景色が目に広がっています。
そして見えてくる赤門。門をくぐると称名寺があり山門の左右には金剛力士像。神奈川県重要指定文化財です。
その称名寺の境内に金沢文庫はあります。
こちらを訪れると、きっと庭園の美しさに驚かれることでしょう。
私が取材に行った時は温かで風もなく、たくさんの方がスケッチをしていました。この庭園は浄土式庭園最後の遺例ということで当時の壮麗な寺観を伝えています。
この庭園を左回りに行くとトンネルのようなものが見えてきます。そこをくぐると金沢文庫があるのです。
「一遍聖絵」はこの称名寺境内と金沢文庫の資料を見ることによって、鎌倉時代を肌で感じ、より理解が深まります。
金沢文庫1
金沢文庫2

「信と不信を区別せず、浄も不浄も嫌わずに」

「一遍聖絵」は、念仏を唱えることで誰でもが往生を遂げることができると民衆に説いた時宗僧侶一遍上人の行状を描いた鎌倉時代最古の絹本絵巻です。
金沢文庫での展示は、高野山、熊野、四天王寺、石清水八幡宮、当麻寺の場面を描く第二、三、八、九巻の展示。
その中の石清水八幡宮を元に鶴岡八幡宮(鎌倉政権の中心である宗社)は建立されました。源頼朝の想いや願いのこもった当時の石清水八幡宮を観ることができるなんて本当に感動です。
また熊野の場面では、聖絵の見どころ熊野権現が山伏の姿になって顕れるもこちらの展示で観ることができます。
その他、聖絵にまつわる名品として木造阿弥陀三尊立像 (鎌倉時代)や播州法語集 (鎌倉時代)なども展示され、見どころは満載です。

当時のままのタイムトンネル

今回の取材に応じてくださった学芸員さんからこんな素敵なお話をいただきました。「先ほど通ってこられたトンネルは後からつくったものですが、トンネルを抜けてこの館をまっすぐ抜け、中庭の向こうに邸宅があったようです。それから、トンネルの左にある古いトンネル。今は通行できませんが、当時のものですよ」と。
鎌倉時代。北条さんは、この道を行き来していたのね・・、と思う私。

遊行寺宝物館も金沢文庫も、一遍さんの案内でタイムトリップの旅。次は神奈川県立歴史博物館へと向かいます。
金沢文庫3

第三会場 県立金沢文庫
会期:2015年11月19日(木)~12月13日(日)
開館時間:午前9時00分~午後16時30分(入館は午後4時00分まで)
休館日:月曜日(11月23日は開館)、11月24日
会場:特別展示室・コレクション展示室
観覧料:
大人600円(500円)
20歳未満・学生…400円(300円)
65歳以上…200円
高校生…100円
( )内は20人以上の団体割引料金
*65歳以上・高校生料金は変更の可能性あります
※中学生以下・障がい者手帳をお持ちの方は無料

著者:のりこ

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小学校教員歴14年。その後は非常勤としても勤務。職員間の微妙な人間関係や母親の人間関係から学んだストレスのない生き方の提案ができます。
20代からナチュラルライフを目指し実践。自分らしい生き方として選択したナチュラルライフを、皆さんにご提案させていただきます。さまざまな角度から執筆できます。