「国宝 一遍聖絵」~神奈川県立歴史博物館で初公開!一遍上人骨蔵器|クロードクル

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2015年11月20日
「国宝 一遍聖絵」~神奈川県立歴史博物館で初公開!一遍上人骨蔵器

「国宝 一遍聖絵」第2会場は神奈川県立歴史博物館。こちらでは四、五、六、十巻を展示。骨蔵器(一遍上人供養塔内納置品)や「相州津村江ノ島縁起」(どちらも鎌倉時代)など絵巻の他にもたくさんの展示品が魅力です。

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鎌倉七口 こふくろさかで・・・。

神奈川県立歴史博物館に展示されるのは、四、五、六、十巻ですが、その中の第五、六巻は神奈川県ゆかりの場所が描かれています。

第五巻に描かれている「こふくろさか」。
三方を山に囲まれた神奈川県鎌倉市は、鎌倉時代、主要地鎌倉に行くための入り口として七か所の切通がありました。
そこは鎌倉七口と呼ばれ、今でも私たちの重要な道となっています。その中の一つが「こふくろさか」。当時の様子がこちらです。
一遍聖絵①
(第五巻第五段 こふくろさかの場面 清浄光寺(遊行寺)所蔵)

この絵の中にあるように鎌倉に入るためには、山を切り開いた道(切通)、鎌倉と外を繋ぐ交通路を使わないと向かうことはできませんでした。
敵の侵入を防ぐための工夫もされており、道が細くなっていたり、見通しが悪くなっていたりと、その痕跡は現在でも確認することができます。
ただ、旧巨福呂坂(こふくろさか)は現在民家が建っているので通行することはできません。

さけはさき ちれはをのれと ちるはなの・・・

一遍上人は神奈川県藤沢市片瀬にも訪れました。こちらも神奈川県の観光名所です。
一遍聖絵②
(第六巻第一段 片瀬浜 清浄光寺(遊行寺)所蔵)

一遍上人が片瀬の浜の地蔵堂にいる三月の末に、紫色の雲が立ち、空から花が降ってきたと詞書に記されています。
空から花が降ってくるなんて・・・ロマンチックと言ったら叱られるでしょうか。

その時、一遍上人は、「さけはさき ちれはをのれと ちるはなの ことはりにこそ にはなりにけり・・・」咲く時が来れば咲き、散る時が来れば自然に散る花と同様、自然の理法のままに我が身もなって行くのです」(「一遍聖絵」 図録参照)と歌われたそうです。
その心を実践するまでの気持ちにほど遠い私は、それでもなるほど・・と想いはしっかりと伝わったつもりです。

野にすてて・・

一遍上人は、門弟達には自分の亡骸を「野にすてて、けだものにほどこすべし」と言って、葬礼をすることを望まなかったようです。
在家の人たちが仏縁を結ぼうという気持ちを妨げてはいけないと、松の木のもとで荼毘に付し「墓所荘厳」したと伝えられています。

この時の骨壺は時宗開祖の聖遺物であり、それがなんと今回、神奈川県立歴史博物館に展示されているのです。
取材に応じてくださった学芸員さんも一押しの展示物です。

この壺は出現の際に割れてしまったものを修復し、神戸真光寺内でお護りされていたものを出品いただいたということで、ご遺骨は新調された容器に移して石塔に再度お納めされているということです。

この他、展示品の詳細は神奈川県立歴史博物館のホームページ「作品目録」からみることができます。
遊行寺宝物館・神奈川県立金沢文庫では、建造物や景観から叙景的に鎌倉時代を楽しむことができ、神奈川県立歴史博物館ではその展示品の数々に圧倒されます。

最後に学芸員さんからの一言。「神奈川県立歴史博物館の旧館は、旧横浜正金銀行本店として建てられたネオ・バロック様式の本格的な西洋建築で、国の重要文化財・史跡に指定されています。ドーム正面から左に見える鯱のような装飾はドルフィン(イルカ)です。博物館近辺には素敵な建物がたくさんありますから、そちらもぜひ観ていってください」とのことでした。

著者:のりこ

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小学校教員歴14年。その後は非常勤としても勤務。職員間の微妙な人間関係や母親の人間関係から学んだストレスのない生き方の提案ができます。
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