【画鬼暁斎 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル】自在な筆で生き抜いた浮世絵師|クロードクル

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2015年10月15日
【画鬼暁斎 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル】自在な筆で生き抜いた浮世絵師

河鍋暁斎を知っているだろうか? 6歳で浮世絵師歌川国芳に入門、9歳で狩野派に転じてその修行を終えた。多才が故に取り上げられることの少ない暁斎の作品をこの機会に知ってほしい。

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画鬼暁斎 幕末明治のスター絵師

幕末の混沌から明治にかけて、様々なジャンルを描き尽くしてきた浮世絵師がいる。名前は河鍋暁斎。
暁斎は6歳で浮世絵師・歌川国芳に入門し9歳で狩野派を学んだ。戯画を描きく人生をおくり、日本画では最高賞である妙技二等賞碑を受賞。晩年には英国人建築家を弟子に持った。今回、暁斎とその弟子である英国人の建築家ジョサイア・コンドルにスポットを当てた展覧会『画鬼暁斎 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル』を訪れた。

暁斎とは誰か

暁斎が入門した当時、浮世絵師・歌川国芳は、40歳。武者絵などで絶大な人気を博し不動の位置にいた。
暁斎は国芳から写生の重要さ、絵師としての反骨精神を学んだ。
その後、駿河台狩野家に入門し、伝統美を重んずる狩野派の正統な型を学ぶことになる。
しかし一方では、川から流れ着いた生首を写生したり、弘化3(1846)年の正月の大火では、その情景を描くことに没頭し、自宅の火事に気付かなかったというエピソードが残るほど、国芳譲りの破天荒な絵描きでもあったという。暁斎は天性の素質に、正統な技巧を身に付け、時代の奔流をその自在な筆で生き抜いたのだ。

多才な暁斎、彼のフィールド

浮世に現世や現代といった意味がある通り、浮世絵とは当時の世俗を描いた風俗画を指す。庶民に親しまれ、版画によって量産された。
浮世絵といえば版画、というイメージを持たれるが、初期には肉筆画、つまり一点物の浮世絵も存在した。暁斎が学んだ歌川国芳の時代は文化4年(1807年)から安政5年(1858年)の後期。浮世絵の全盛時代で、葛飾北斎の『富嶽三十六景』や歌川広重の『東海道五十三次』もこの頃に描かれている。

後に暁斎が学んだ狩野派は、室町時代中期から江戸末期に活躍した画派である。江戸時代では幕府の御用絵師として画壇の中心で活躍した。狩野派全盛期の江戸中期であったならば、狩野派絵師が浮世絵を描けば即破門であったほど、正統性を重んじる画派と言っても過言ではない。

暁斎の時代でも、狩野派の絵師たちは寺の障壁画の修復などを行っており、その複雑な作業に狩野派絵師としての暁斎は不可欠であったという。暁斎が浮世絵を描いてもなお、必要とされることを考えると、その力量を伺いしることができる。

戯画といえば、鳥獣戯画が最も有名だろう。戯画とは風刺画や滑稽画を指す。
私が最も注目してほしいのが暁斎の描く戯画なのだ。
ただ面白おかしく描いた絵ではない。ユーモアを含みながらも緻密で軸がある。
あるいは真面目な筆だからこそ、却ってユーモアを感じさせるのかもしれない。暁斎が好きだったという蛙を題材にした「風流蛙大合戦之図」は、その名の通り蛙が戦をしているの。
だが、一匹一匹が生き生きと描かれており、子供心に好きな一匹を探したくなる。また、「地獄太夫」という作品では、一見戯画に見えないほど美しく描かれている。その地獄太夫の周りの骸骨に目をやると、囲碁を打ったり酒に酔う骨たちがいるのが面白い。地獄太夫の着る着物の繊細な柄やポップな構図と配色が楽しめる。

暁斎美術館

三菱一号館美術館で開催されている、「画鬼暁斎 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル」は今回取り上げなかった英国人建築家ジョサイア・コンドルにもスポットを当てている。彼がその三菱一号館を設計したということもあり興味深い。
暁斎に関心を持った方は埼玉の河鍋暁斎記念美術館まで足をのばしてほしい。

公益財団法人 河鍋暁斎記念美術館
http://kyosai-museum.jp/hp/top.html


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画鬼・暁斎—KYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル
http://mimt.jp/kyosai/
●会期:【前期】2015年6月27日(土)~8月2日(日)【後期】8月4日(火)~9月6日(日)
●会場:三菱一号館美術館
100-0005 東京都千代田区丸の内2-6-2
http://mimt.jp/
●開館時間:10 : 00~18 : 00(入場は閉館30分前まで)
●休館日:月曜
●入場料:一般 1,500円/高校・大学生 1,000円/小・中学生 500円
●アクセス:
JR・東京
JR・有楽町
東京メトロ千代田線・二重橋前
東京メトロ有楽町線・有楽町
都営三田線・日比谷
東京メトロ丸の内線・東京

著者:ささみ雪

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利酒師の資格を持つ酒と本(とコーヒー)が大好物のOL兼WEBライターです。等身大の目線から一歩踏み込んだ記事を書いていきます。