【世界の翻訳本でみる「星の王子さま」】お気に入りの翻訳本がきっとみつかるはず|クロードクル

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2015年11月11日
【世界の翻訳本でみる「星の王子さま」】お気に入りの翻訳本がきっとみつかるはず

一目見ただけでは「星の王子さま」とはわからないものから「星の王子さま」にこんな場面はあったかしら?というものまで実にさまざまな絵で描かれています。

ライフスタイルライター
  

心の目で見る翻訳本!あなたのすきな翻訳本は?

必見!ターバンを巻いた星の王子さま

突然ですが、『星の王子さま』(アントワーヌ・ド・サン=テグジュぺリ作)と聞いて思い浮かぶ王子さまの姿はどんな服装をしていますか?
きっと、長いマントにブーツを履いている姿を思い浮かべる方が一番多いのではないかと思います。
ところが、「いえいえ。私たちはターバンを巻いた王子さまが一般的だよ」という国もあるのです。それがこちら。
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こちらはアラビア語版の『星の王子さま』。とても愛らしい王子さまがターバンを巻いています。
アラビア語を使用している国の宗教的な象徴であるといわれているターバンを身に着け、なんとも愛らしい王子さまです。
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このように世界各国で愛されている『星の王子さま』は、方言も含め208言語で訳され出版されているそうです(2009年現在)。
神奈川近代文学館には、寄贈された貴重な本が数多くあります。その中でも人気の高い『星の王子さま』がこのたび、スポット展示として2015年11月28日より公開されることになりました。

展示される翻訳本は44言語(方言を含む)。
こんなにたくさんの言語の本を見せられても『きっと言葉がわからないから、おもしろくないのに違いない』と思うかもしれません。
ところが、取材に行った私が、44言語の翻訳本を観たら、予想以上に楽しい発見があって、取材時間はあっという間に過ぎていきました。
そこで、多国語はちょっと・・という方でも絶対に楽しめるおすすめポイントをお教えします。

これって、本当に星の王子さまの翻訳本??

今回ぜひ、皆さんに観ていただきたいのは表紙絵です。
ご覧の通りそれぞれの表紙絵は、一目見ただけでは『星の王子さま』とはわからないものから『星の王子さま』にこんな場面はあったかしら?というものまで実にさまざまな絵で描かれています。
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(※注 中央の翻訳本はウクライナで出版された学校図書館用書籍で「人間の土地」「星の王子さま」の2作品が収録されているため、表紙が「星の王子さま」のイメージかどうかについては不明です)
そうなのです。


44の言語がわからなくても、表紙絵を観ることによって、その国の『星の王子さま』を感じることができるというわけです。
『なぜ、この絵になったのだろう?』
『どうしてこの色を使ったのだろう?』
『なぜこの場面を表紙にしたのだろう?』
そんな心の目で見るということは『星の王子さま』の翻訳本を見るにふさわしいポイントになるのではないでしょうか。

より比較しやすいポイントを3つ

一つ一つ観ても楽しい表紙絵ですが、より比較しやすいポイントを3つお伝えしますので、ぜひご参考に。

1)まず一つ目は表紙絵そのもの。表紙絵にどの場面を使っているかということは、この翻訳本で訳者や出版社が何を一番伝えたいのかを表現しているといえます。

2)次に二つ目は「王子さま」のマントの色。皆さんのイメージでは王子さまのマントは何色ですか?青ですか?緑ですか?または違う色でしょうか。
実は原書のマントの色は「緑」。王子さまはこの緑色のマントを羽織って登場しています。しかし、お気づきのように「青」のイメージも強くありますよね。それでは、なぜ青いマントの絵が多くあるのでしょうか。
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実はサン=テグジュぺリの生前にアメリカで出版された初版では緑色だったものが、フランスで出版されたときに青に変わってしまったからだそうです。
フランスは国旗でも青が使われていますので、青というイメージが印象ついていたのかもしれません(これは全くの個人的意見です)。その後、作者の親族の意向で元の緑色に戻しているようですが、すでに随分と「青いマント」のイメージも定着しています。

3)最後に三つ目。それはやはり『星の王子さま』の表記を観ること。
英語では「The Little Prince」フランス語では「le Petit Prince」、ドイツ語では「der kleine Prinz」、そして韓国語では「어린 왕자」となります。
「星の王子さま」という題がこのようにさまざまな表記で表されているものを一堂に観ることができる機会はなかなかありません。

お気に入りの翻訳本がきっとみつかります

今回取材に応じてくださった神奈川近代文学館資料課の金子さん。ドイツ語版の表紙絵がお好きと伺いました。
淡いグリーンをバックに王子さまが佇んでいる『星の王子さま』は、まさに金子さんのお人柄を表しているかのような優しい印象の翻訳本です。
きっと皆さんもお気に入りの翻訳本がみつかると思いますよ。
神奈川近代文学館で開催されるスポット展示『星の王子さま』。ぜひ足を運んでみてくださいね。

神奈川近代文学館 スポット展示
世界の翻訳本でみる「星の王子さま」~近年の収蔵資料から~
会期:2015年11月28日(土)~2016年1月24日(日)
常設展「文学の森へ 第2部」と同時開催
※休館日 月曜日(1月11日は開館)、12月28日(月)~1月4日(月)
開館時間:午前9時30分~午後5時
会場:神奈川近代文学館 展示館 第3展示室
観覧料:一般 250円(150円)
20歳未満および学生150円(100円)
65歳以上・高校生100円
中学生以下無料
※()内は20名以上の団体料金
主催:県立神奈川近代文学館  公益財団法人神奈川文学振興会

著者:のりこ

ライフスタイルライター
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小学校教員歴14年。その後は非常勤としても勤務。職員間の微妙な人間関係や母親の人間関係から学んだストレスのない生き方の提案ができます。
20代からナチュラルライフを目指し実践。自分らしい生き方として選択したナチュラルライフを、皆さんにご提案させていただきます。さまざまな角度から執筆できます。