【和のあかり×百段階段展】 日本の祭り、12 のあかり|クロードクル

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2015年9月30日
【和のあかり×百段階段展】 日本の祭り、12 のあかり

「和のあかり×百段階段」展には、日本全国から12のあかりが集められました。美しく輝くあかりが百段階段を照らし出す光景は、観る者に感動を与えると同時に、日本の伝統文化に思いを馳せるきっかけとなることでしょう。

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夏の目黒雅叙園を美しく彩る12の「和のあかり」

2015年7月3日から8月9日まで、目黒雅叙園にて「和のあかり×百段階段」展が開催されています。
百段階段の各部屋や園内のパブリックスペースなどに合計12の「和のあかり」が灯され、夏の目黒雅叙園を美しく彩りました。

目黒雅叙園に現存する唯一の木造建築「百段階段」とは?

百段階段は、東京都指定有形文化財である目黒雅叙園に現存する唯一の木造建築です。
昭和10年に建築された百段階段には99段の長い階段廊下があります。中国では、奇数は「陽数」で縁起が良いとされます。その陽数の中でも最大の「9」を2つ重ねたのが「99」なのです。また、「100」で完結せず永遠に発展していくように、という願いも込めて99段にしたとも伝えられます。
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この階段廊下の南側には、7つの部屋が設けられています。
各部屋は、昭和初期を代表する126枚の日本絵画、螺鈿、銘木などに囲まれた豪華絢爛さで、かつては結婚式や宴会が行われていた場所です。

新たな挑戦としての「和のあかり×百段階段」展

7つの部屋に「和のあかり」を灯すと、そこには日本人の原風景が現出します。
懐かしさを伴う美しい光景は、老若男女や国籍の違いすら超越し、多くの人々の心に訴えかけるものがありました

例年、夏の目黒雅叙園は展示を行ってきませんでした。
しかし、2015年は、夏のイベントを開催するという初の試みを実現。普段の展示とは趣を変えてロマンティックな演出も取り入れ、若者たちにも大好評でした。
ナイトミュージアム×アコースティックソロライブは夜間開催だったため、仕事帰りの方やカップルでにぎわいました。

企画展史上初の全時間帯写真撮影可能だったため、来場者はカメラやスマホで撮影を楽しむことも可能でした。撮影された写真はSNSに投稿され、Twitterやfacebookなどで拡散されました。

「和のあかり×百段階段」展を楽しむ

招きの大門 祭りのあかり

目黒雅叙園の「招きの大門」は、訪れるゲストを祝福するエントランスです。
そこを彩るのは、東北三大祭りのうちの2つでした。

秋田県「秋田竿燈まつり」

「秋田竿燈まつり」は、毎年8月3日から6日に秋田県秋田市で行われます。
大きな竿燈を差し手が手・額・腰などに乗せ、技を競い合いながら豊作を祈ります。
江戸時代の厄払い行事「ねぶり流し」に起源をもつこの祭りは、1980年、国の重要無形民俗文化財に指定されました。

今回の展示では、「大若」「小若」と呼ばれる2種類の竿燈と秋田市全町会の提灯38個が来場者を魅了していました。
誰もが通り抜けられる共有スペースでの展示だったため、多くの人たちが足を止め、輝く提灯を背景に記念撮影していました。
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宮城県「仙台七夕まつり」

仙台七夕まつりは、7月7日の一か月遅れの8月7日とその前後に開催されます。
仙台市の中心にあるアーケード街は大規模な飾り付けがされ、例年たくさんの見物客でにぎわいます。
江戸時代から続くといわれるこのまつりは、仙台空襲で焼け野原と化した街で復活し、今では東北三大祭りの一つに数えられるまでになりました。

今回は、高さ5m級の七夕飾りが5本展示されました。
宮城県は私の地元であることもあり、懐かしさに思いを馳せながら、しばらく飾りに見入ってしまいました。
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エレベーターホール いけばなのあかり

「公益財団法人日本いけばな芸術協会」の協力によるいけばなアート作品で、6名の華道家による週替わりの展示です。
私が訪れた7月18日は、古流松應会家元・千羽理芳さんの作品が展示されていました。

エレベーターを降りたところで最初に出会ったのが大きないけばなでした。
たくさんの枝で構成されたこの作品は、あかりに照らされて、背後の壁に影を映し出します。ほんのりと輝く可憐な花々とその背後に広がる影とのコントラストに目を引かれました。
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十畝の間 葛飾北斎と江戸職人のあかり

江戸切子・錺かんざし・漆・組子

百段階段の漆修繕に携わる漆職人・安宅氏や「墨田区伝統工芸保存会」の職人らの作品が、柔らかなあかりの下で展示されていました。
職人が丹精込めて形作り、磨き上げ、完成させた作品は、あかりに照らされて精緻なその姿を露わにします
普段は見落としがちな素材の色合いや質感などを視覚的に楽しみ、思わず嘆息してしまいました。
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葛飾北斎「浮世絵あかり行燈」

「すみだ北斎美術館」の協力のもと、葛飾北斎の浮世絵を複製した和紙で作った行燈が展示されていました。
薄闇に浮かび上がる浮世絵からは、北斎の息遣いが聞こえてくるようでした。時代を超えて、形を変えて、現代日本を明るく照らす名画にロマンを感じました
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漁樵の間 祭りのあかり

東北三大祭りの1つに数えられる青森ねぶた祭は、青森県青森市で8月2日から7日に開催されます。
このまつりの最大の見どころは、伝説や歴史、歌舞伎などを題材とした豪華で巨大なねぶたが町中を練り歩くことです。そのねぶたが、ひときわ豪華絢爛な「漁樵の間」に登場しました。

今回は、平均年齢33歳という若手ねぶた師集団「ねぶた屋」の4名がタッグを組みました。
ねぶた師同士はライバル関係にあるため、普段共作することはありません。そんな彼らが百段階段を盛り上げるため、「大江山酒呑童子」をモチーフにした合同作品を制作しました。窓を取り外してねぶたを搬入するという前代未聞の展示でした。

鬼と姫君、2人の武士が対峙するシーンは、今にも動き出しそうな迫力でした
昨年のまつりで使われたねぶたは、「漁樵の間」を舞台に再び息を吹き返したのです。
そんなねぶたを目の当たりにした人は皆、「すごい・・・」と息を呑んでいました。
撮影スポットとしても大人気で、たくさんの人たちがねぶたを背景に記念撮影を楽しんでいました。
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草丘の間 夏のあかり

江戸風鈴のあかり

日本絵画・礒部草丘の天井絵を背景に、約500個の江戸風鈴が夏の風物詩を演出します。
これらの風鈴は、100年の歴史を持つ江戸川区の老舗「篠原風鈴本舗」の作品です。
アコースティックソロライブで演奏されたチェロ曲がBGMとして流れ、風鈴の音色とともに心地よいハーモニーを奏でていました
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竹林のあかり

部屋の奥へ進むと、そこには竹林がありました。
ほのかに輝く竹は、まるでかぐや姫が誕生する瞬間を見ているような美しさです。
BGMと風鈴の音、優しいあかり・・・日本の夏を五感で楽しみながら、身も心も癒されました
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静水の間 闇夜に浮かぶ月のあかり

静水の間に足を踏み入れると、暗闇の中に浮かび上がる何かに目を奪われました。
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箱の中に入った創造物は、土偶のようでもあり民芸品のようでもありミステリアスでした
これらは、「スーパー歌舞伎」や「人形浄瑠璃」などでも活躍中の美術家・中里繪魯洲さんの作品です。
鑑賞者は、箱の中を覗き込んで、一体一体の表情を確認していました。

部屋の奥に進むと、そこには、巨大な布に描かれた馬の姿がありました。
走る馬の体に書き込まれているのは歌手・友川カズキさんの詩。その詩の中に月の形が浮かび上がる光景は幻想的でした
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星光の間 草木のあかり

「星光の間」は、部屋の至るところに板倉星光の四季草花が描かれています。
特に欄間には、食べられる実のなる植物の絵が多く見られます。
ここは、結婚式場としても使われた、絵を楽しみながら食事をしてもらうための部屋なのです。そんなおめでたい部屋に、日本の夏や秋を彩る草木がほのかな光を放っていました
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夏の風物詩であるほおずきの赤い輝き。
一足早い秋を感じられるイチョウやモミジの葉、ススキ。「星光の間」では、2つの季節が柔らかく融合し、優しい明るさを演出します
鑑賞者は皆、「かわいい」「きれい」と言いながら、小さなあかりの数々に目を凝らしていました。

清方の間 和紙のあかり

岐阜県美濃市は、2014年ユネスコ無形文化遺産に登録された美濃和紙の産地として有名です。
その美濃市で毎年開催される「美濃和紙あかりアート展」に出展された優秀作品が「清方の間」を飾ります。
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天井から吊るされた大きな和紙は、まるで光り輝く天の川のようでした。
他にも、繊細な装飾を施された和紙作品が、訪れる者の目を楽しませます。「清方の間」は、網代天井や四季の美人画が描かれた欄間など、他の部屋とは趣が異なります。
部屋の雰囲気と和紙が落ち着いた雰囲気を醸し出し、くつろぎの空間となっていました

頂上の間 提灯のあかり

百段階段最上階の部屋は「頂上の間」。
欄間にも日本画が描かれる予定でしたが、実現する前に画家が亡くなってしまい、白いままとなりました。その白い背景が、数多の紅提灯を引き立てていました。

「山口七夕ちょうちんまつり」からまつり提灯

前室に飾られているのは、「山口七夕ちょうちんまつり」の提灯です。
「山口七夕ちょうちんまつり」は、毎年8月6・7日に山口県山口市で開催されるお祭りで、室町時代からの伝統を誇ります。
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部屋の入り口に立った人は皆まず立ち止まり、提灯がズラッと並ぶ光景に圧倒されていました。
お祭りのにぎやかさが伝わってくるようでした

「柳井金魚ちょうちん祭り」から金魚ちょうちん

「頂上の間」を奥へ進むと、たくさんの可愛らしい金魚たちが泳いでいました。
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この金魚たちは、「柳井金魚ちょうちん祭り」で展示される提灯です。
青い金魚は頬の日本国旗がキュートで、特に大人気でした。
「この青い金魚カワイイ!」という子どもの歓声が聞こえてきました。
金魚ちょうちんを手に持ったり被ったりできる撮影エリアでは、大人から子どもまで記念撮影を楽しんでいました

東京で全国のあかりが見られる「和のあかり×百段階段」展

「和のあかり×百段階段」展は、東京で全国のあかりを見られるという貴重な展覧会となりました。
開催に当たっては、目黒雅叙園が1つ1つの祭りや団体に声をかけたといいます。
その声がけに賛同した有志たちが、東京の夏を盛り上げるべく一堂に会し、百段階段をいっそう魅力的に輝かせたのです。

美しいあかりに導かれ、私たちは、それぞれの地域が育んできた文化の一端に触れることができたはずです。
また、上京後なかなか帰省できない人たちにとっては、地元の祭りを思い出すきっかけとなったのではないでしょうか?

「和のあかり×百段階段」展が毎年開催され、東京の夏の風物詩となることを願っています。

「和のあかり×百段階段」展 ~日本の祭り、12 のあかり~
https://www.megurogajoen.co.jp/event/wanoakari/
●会期:2015年7月3日(金)~2015年8月9日(日)
●会場:目黒雅叙園
153-0064 東京都目黒区下目黒1-8-1
https://www.megurogajoen.co.jp/
●開館時間:
日曜日~木曜日 10:00~18:00(最終入館 17:30)
金曜日・土曜日 10:00~19:00(最終入館 18:30)
●休館日:
●アクセス:
JR・目黒駅
東急目黒線・目黒駅
地下鉄南北線・目黒駅
三田線・目黒駅

著者:みみずく

家庭教師が本業のライター
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平日の夜は、家庭教師として小学生から高校生まで幅広く指導しています。国語・数学・英語などの主要科目だけでなく、面接・作文・小論文なども教えます。各科目の勉強法や指導テクニック、受験に関するあれこれなど、教育に関する情報を家庭教師ブログに掲載しています。「両国 家庭教師」で検索してみてください。
土日は、様々なイベントに参加するため、都内を中心に首都圏を動き回っています。アートやサブカル、妖怪、アングラ、フェチなど、偏った興味関心の赴くまま、好きなものを追い求めることに一生懸命です。名刺をばらまいたり、一眼レフで写真を撮りまくったりしているうちに、いつの間にかお友達が沢山できていました。イベントに関する情報も裏ブログ(下記サイトURL)やSNSで発信中です。
「好きな人や好きなものを応援したい!」という思いを大切に家庭教師&ライターとして奮闘中です。